情報大洪水の時代(その23)

「先生、私は先生の所でなければ一応考えがあるんですよ」

 

「そうなんですか?」

 

K予備校、S予備校の2つは必ず行かせようと思っています」

 

「2つ同時にですか?」

 

「都会じゃ『あたりまえ』らしいですよ、2つ通うのは」

 

「…それぞれの予備校の有名講師の授業だけ取るってやつですか?」

 

「お、先生も知っているんですね、そのやり方を…さすが」

 

「まあ、はい…」

 

「それと先生が懇意にしている個別指導の予備校がありましたよね?」

 

「よくそんな話を覚えていましたね」

 

理Ⅲに合格させる専門の予備校ですよね?」

 

「まあ、そうですね…。他大学の医学部医学科に進学している方が多いですけどね」

 

それですよ、それ! そこを紹介してくださいよ」

 

「いやぁ、そこは月額50万円かかりますよ、破格ですから」

 

「いいんですよ、医学部いや…理Ⅲに行けるのなら

 

「あぁ…、やっぱり本気なんですね?」

 

あたりまえですよ! 先生だっていつも本気でしょ?」

 

「まあ、確かにそうですが…」

 

「私の計算では年間600万円ほどかかるんですが、覚悟していますから!」

 

「ろ、600万ですか!?」

 

「そうです、医学部…いや理Ⅲに行けるなら、安いでしょう!!」

 

「うわぁ、ホントすごい話ですね…」

 

「ところで、先生!」

 

「はい、何ですか?」

 

「私は先生が『引き受ける』と言ってくれれば、そっくりそのまま渡すつもりです」

 

「へ…、何をですか?」

 

「600万まるまる全額ですよ」

 

「…」

 

「それでも、先生はまだ断るつもりですか??」

 

「……」

 

(続く)